センター試験がはじまり、受験シーズン到来です。
春の入学に向けて、いろいろな準備が始まる時期となりました。
入学準備といえば
1972年小学校入学にあたり、学校で使う引き出しを父が作ってくれました。
机に合わせたサイズの引出しが必須で、当時は、既製品はなくどの家庭も手作りで準備していました。
長子である私の入学に父がどれほど力を尽くしたことか、、、
仕事で使うトタン板を加工して渾身の作品を用意してくれました。
「ブリキの引出しができたぞ、どうだ、すごいだろう。」
私は父の気持ちが本当にうれしく、誇らしく、自慢のアイテムとなりました。
引出しの色は女の子用の緋色、取手は上部で前面に折り返しがありました。
「引出し、製品化しようかな」と父も満足いく出来でした。
加工技術の強みを活かした独自製品といえたでしょう。
ただ一つ難点は、重量でした。紙や段ボールで作られた引出しより強度は抜群でしたが、学期毎に家に持ち変える際には大変でした。
ユーザーの利用ニーズにマッチしていなかったのです。
残念なことに、翌年には、プラスチック製の引出しがメーカーから発売され、スタンダードになってしまいました。
しかし、意地っ張りな性格のため、卒業まで父の引出しを使い続けました。
家庭は、生活や教育資金を確保するため受注した仕事をこなすことで精一杯でしたが、いずれは、銅板で加工した独自製品を世に出したいという想いがあったようでした。
いまだに世に出せる製品はありません。
技術だけで、想いだけでは達成できなかったのでしょう。
タラレバは良くないですが、
市場をみて、ニーズを掴めれていれば、、、もしかしたら、、、と思わずにいられません。